§2-1 チーズバーガ工場式管理術(ミスの許容について)

多くの管理職は、頭脳労働者を正しく管理できていない。

例えば、管理職は部下のミスを許さないことでミスが無くなり、コストが下がると信じ込んでいる。

部下のミスを避けるには作業内容の標準化が必要で、決められたことをミスなく素早くやらせることで生産性が上がると考えている。

チーズバーガー工場ならこれは正しいかもしれないが、頭脳労働者にもこれが当てはまると思ったら大間違いだ。実際は真逆の結果になる。

作業内容の標準化はなぜいけないのか?

まず部下はミスを恐れ、消極的になる。仕事への愛着はどんどん失われていき、さらに消極的になる。そしてチームの雰囲気が悪くなる。品質はどんどん低下する。改善がされないから、品質の低下に歯止めはかからない。何かを改善しようとしても、その努力は報われないのだから誰も改善しようとしない。むしろ、余計なことをしたことで、上司に叱責される。

こうして長期的に見れば、作業内容の標準化は取り返しのつかない品質低下と職場破壊を招く。

ミスを許容し、部下に試行錯誤設計をさせれば、最終的には部下に良い仕事をさせることが出来、品質も士気も向上するのに、多くの管理職にはこのような管理が出来ていない。

»目次に戻る(ピープルウェア)

2 注釈 “§2-1 チーズバーガ工場式管理術(ミスの許容について)

  1. どんな目的で何を作るのかが明確になっていない場合が多いですね。特にITは目に見えないから、上司と部下が協力して可視化する努力が必要です。

    1. 興味深いコメントですね。

      チーズバーガー式は、協力とは逆の考え方ですね。

      上司は頭を使う。(たいして頭は良くない)
      部下は手を動かす。頭を使うと怒られる。

      残念ながら、私の見ているIT現場ではいまだにこの構図ですが。何が起源なんですかね?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です